東京アプリケーションシステムの佐久間です。
私は業務でシステム開発を行っていますが、お客様に使っていただくために本質を見極める意識というものを身に着けようと努力しています。
業務で制作したものを実際に利用するのは開発者ではなく、お客様だというのは当たり前のことです。
その為、お客様からヒアリングを行い、具体的にどのようにするかといったことを決めるのが開発者の業務の一つですが、何かが欲しいと言われたときに「なぜ欲しいのか」「本当に必要なものは何なのか」を分析する必要があります。
欲しい物を伝えられ、ただ言われた通りに作るというのは当たり前のように聞こえることですし、言われた物を作っているためクレームが出ると言った事はないと思います。
ですが、お客様の利用方法を考えたときに、言われた通りに作ることが全てにおいてベストかといえばそうではありません。
自動車を普及させたフォード・モーター社の創設者、ヘンリー・フォードは言いました。
「何が欲しいかと人々に聞けば、”もっと早い馬”が欲しいと人々は言うだろう」
その当時、自動車というものはごく一部の富裕層が持つもので、多くの人々は馬を主な交通手段として利用していました。
そのため自動車の利便性を人々は想像出来ないため、本来は「移動時間を短くしたい」といった目的が「早い馬が欲しい」という手段の要求になってしまっています。
私たちは曲がりなりにもプロフェッショナルという目で見られている以上、本質を見極める能力は必ず必要であると思います。
要求を完璧に叶えることもプロフェッショナルに必要なスキルですが、
一枚上手になるためには、お客様に「考えてもみなかったけど、実は自分が本当に欲しいものはこれだったんだ」と気付きを与えることができることがプロフェッショナルだと思います。
そのためには製造するシステムだけを見るのではなく、お客様の目的をしっかり聞く、会社でどのように利用するのかを考える、社会のシステムを知る、といった広い視点で見ることが肝要です。
一朝一夕では出来ない難しいことだとは思いますが、開発者としてはぜひ身につけたいものです。
読んで頂き、ありがとうございました。