デザインに強い人間になりたいと常々うっすら思っています

こんにちは、東京アプリケーションシステム新入社員のY・Wです。今回はタイトルの通りのことを書くのですが、その前にY・W産記事名物「長すぎる前置き」を攻略してください。本編がオマケにならないようにはします。

 

私は情報系の専門学校を卒業しており、入社するときも一応「未経験じゃない枠」でした。しかし、入社時の私のプログラミング知識はというと未経験者に腺毛が生えた程度の違いしかありませんでした(メソッドだったりオーバーロード、オーバーライドの概念が分かる程度)。これは決してサボっていたわけではなく、言うならば私の属していた学科の影響が大きいです。

情報系と付いていますが、どちらかというとデザインに振った学科に属していたため、プログラミングよりも画像や動画の編集技術といった知識の方が貯まっていきました。Adobe製品がタダで使い放題だった環境ということもあり、在学中の私は授業中の暇な時間や休み時間を削ってIllustratorだったりPhotoshopだったりをいじる生活を送っていたのです。今思うと、資料作成やインタフェースに関してはかなり指導を受けていたな、と感じます。卒業研究作品もコードなんて欠片もいじる事なく、自分でストーリーを構築してモキュメンタリー動画をせかせか作っていました。その話は多分今度します。

そんな学生生活を過ごしてきたからか、卒業した今でもデザインそのものに対する意識はぼんやりと脳内に根付いており、もし何か資料みたいなものを作ることになればデザインに気を遣って作業したいな~と考えています。

 

 

これを書いてる段階で、そもそもデザインって何なんけ……という哲学的思考に陥りそうになったので、自分なりにデザインとは何だと思ったのかをまず書いていきます。少し考えた結果、おそらくアートを引き合いに出すのが一番いいでしょうか。一見同じ概念に思えますが、考えてみると全然違いますね。

一言で言うと、自分のために作るのがアートで、他者のために作るのがデザインだと思います。

たとえば、ピカソの絵は皆さんも一度は目にしたことがあると思います。代表作であり、反戦の象徴ともされる「ゲルニカ」ですが、前情報なしに見ると何を表そうとしたのかすら分からないくらいの難解さがありますね。童話のエンディングだったり、地獄の日常風景のようにも見えます。真っ先に「争いがモチーフになっている」と分かる方はそう多くはない気がします。

このように、自分の中に渦巻く灰汁まみれの要素をどうにか形にしたものがアートだと思います。ゲルニカはピカソによる政治的メッセージが込められていますが、大半はゲルニカのようにメッセージを持って作られたというより、事故現場と同じように「作られてしまった」ものだと思っています。伝えることが目的なのではなく、もっと前の段階である「表すこと」が目的になっているものが多くないでしょうか。

いっぽう、企業のウェブサイトはどうでしょう。ひと昔前のものはともかく、現代のウェブサイトはとにかくユーザー目線で作られているのが分かると思います。飽きさせないための動画の埋め込みやアニメーション、スクロールを促すための情報の内容や一度に表示される密度などなど、もはや接待レベルでユーザーに寄り添ったものになっています。例えば当社のWebサイトは、トップページで画面全体を使い企業情報・採用情報・製品情報の案内が一定間隔で入れ替わり、スクロールしていくと柔らかめのアニメーションとともに情報が少しずつ表示されていきます。さらに、どれだけ下にスクロールしてもページ遷移するためのメニューは常に画面上部に固定されており、見るページを変えるたびにわざわざ最上部までスクロールしなくてよい作りになっています。

このように、他者に見せる・伝えるといった、何らかの目的をもって作られたものがデザインだと思います。表すことが目的ではなく、伝えるために作られたもの。基本的に「説明がなくても見ただけで勝手が分かる」レベルを目指しており、その作品を見る、触る、感じる他者が存在する前提で作られるものです。

 

 

 

お疲れ様です。「長すぎる前置き」攻略完了です。今回は「デザインを意識した資料作成」について、自分なりに考えていることを書いていきます。

私は配属直後に、AIについてまとめた資料を作っていました。新入社員は配属後にまずOJT研修というものを受けるのですが、私は「AIを用いた簡単なアプリ開発」を行うことになりました。しかし当時はAIについて水たまり程度の知識しかなかったため、最初の2日ほどを勉強に費やすことになったのです。

様々なWebサイトを眺める形で行っていたのですが、見ているだけだと段々退屈さを感じて、頭にも入ってこなくなってしまいます。そのため、PowerPointを用いてまとめながら勉強を進めていました。別に誰かに見せるわけではありませんが、私は絵や図がないとすさまじく理解が進まないタイプなのです……。そのときに作った資料の一部がこちらです。

 

 

こんな感じのまとめ資料を作っていたところ、OJTの先輩からわりと高評価をいただいてしまいました。このときはデザインのデの字も意識せずに作っていたのですが、先輩から評価を聞いているうちに自分の中でいつの間にか根付いていたデザインの意識がだんだん分かってきました。ここからその内容を3つに大別して書いていきます。

 

 

まず私が最も大事にしていることは、1枚にたくさん情報を詰め込まないということです。

 

余白があるともったいない……何か中身が無さそう……と思ってしまいがちですが、だからといって1枚のスライドの中にあれやこれやと詰めすぎると、一番に伝えたいことがブレてしまい、前回の私の記事のようになります。そうなると見た人は「で、今書いてあった内容は何だったん……?」と受け取る恐れが出てきてしまう。よくないですね。

あと、情報の詰まったスライドはそもそもすご~く見にくいので、疲れます。自分で作っているときは問題なさそうでも、実際にプレゼンで使うときは大抵プロジェクターを使って遠方に写したりするので、本番でいきなり字が小さく見えてしまうことが多いです。なので、スライド上で文字を使うときは「でっかく、短く」を意識すると上手くいきやすいです。

 

だけど「1つのプレゼンに使うスライド枚数は少ない方がカッコいい」という思い込みってなかなか取れないですよね。私もそう思っちゃうときがありますが、そこはグッと堪えたいところ。コンパクトさを求めるあまり個々のスライド内容が残念になってしまっては本末転倒……スライド枚数がどれだけ多くなったとしても、1枚1枚の見やすさを追求した方が全体の仕上がりとしても絶対に良いものになります。

見やすい資料を作る確実な方法は、図式にしてしまうことだと思います。人は文字よりも絵や図の方が理解しやすいため、私は文章が長くなりそうなら可能な限り図に起こしています。また、自分自身が理解していないものはそもそも図式で作れないので、理解度チェックの意味でも効果的です。

 

 

その次に意識していることは、フォーマットの統一です。

 

極端な例ですが、横書きのスライドの後に縦書きのスライドが来たら混乱しますよね。ここまででは無くても、例えば見出しのあるスライドと無いスライドが不定期に現れたら、見る人にとっては内容の繋がりが不明瞭になってしまうことがあります。なので私は、内容上どうしようもないとき以外は「見出し→テキスト・図式」のスタイルを絶対に崩しません。

先ほど上で挙げた画像も、だいぶ詰まってはいるものの「見出し→テキスト・図式」になっています。長くなりそうでない限り、基本的に見出しで挙げた内容に触れるのはそのスライド中のみで、次のスライドではまた違う内容に触れるようにしています。

 

 

最後に意識していることは、アニメーションは1種類までということです。

 

PowerPointの資料にはアニメーションを付けることができます。学生時代に使えるとなぜか神童扱いされるスキルですね。アニメーションには観覧者の興味を引く強い力がありますが、やたらに使うと良さが全部消えてしまいます。

高校時代、おそらく総合学習の授業だったと思うのですが、外部の方が資料を交えて説明する場面がありました。しかしその資料にはターン、バウンド、ブーメランといった動きの多いアニメーションが多用されていて、言ってしまえば気が散るような内容でした。実際、授業後は正直に言って資料の内容をあんまり憶えていませんでしたね……。ラーメンと寿司とメロンソーダはどれも爆裂にウマいですが、一度に食べたら口の中が焦土と化すのと似てるかも。

 

けっこうな便利機能ですが、度が過ぎてしまえばアニメーションを見せることが目的の資料になってしまいます。そうならないために私はそもそも使わないか、使うとしても1種類に留めています。使用するものもフェードイン・アウトなど、シンプルなものを優先します。

しかし、動きの多いアニメーションそれ自体が良くないわけではありません。たとえばプレゼンの内容がエンタメ色の強いものだった場合は、動きの多い効果を適切に入れることで観覧者の気を引き、興味を持続させることが出来るでしょう。むしろシンプルなアニメーションのみだったり、何もアニメーションを付けない場合だと内容と雰囲気のギャップが生じてしまい不自然になってしまうかも知れません。そこは相手との関係性次第でしょうか……むずかしい。

 

本当に表現方法に迷ったときは頭の中に何も知らない人を降霊(おろ)してきて、「そこちょっと意味が分かんない」など文句を付けてもらいながら作業するのが一番いいと思います。理解してもらえるかどうかが心配ですが、私は時々こうやって作業しており、成功したこともあるので案外実用的な方法であると思っています。

 

 

 

ここまで長~~くなってしまいましたが、私が資料作成について意識していることは以上です。現在、この意識が開発業務で役立っているかと訊かれると自信を持って首を縦には振れないのですが、いつかそういう場面が来たときはこの意識を活用して取り組もうと思っています。もちろん、現時点で完璧だとは微塵も思ってないので勉強しながらその時を待ちます。

 

 

 

 

 

 

↓↓ついでに自分の意識とは真反対のやり方でこのスライドを作り直してみました。↓↓

 

 

 

 

 

 

こうなりました。何も分からない。

 

 

 

最後に、東京アプリケーションシステムでは一緒に働いてくれる方々を募集しています。
新卒採用、中途採用どちらも募集中ですので、少しでも興味のある方はインターンや説明会など、お気軽にご応募ください。

 

 

 

 

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